プリンセス☆ロード





「連れ去りたいなら無理やり連れ去ればいいじゃない」

「なんだ、突然強気だな」

「私は帰るわよ!」





私は立ち上がる。
ずかずかと歩き始めた。



しばらく歩き続けたけど、この山道。
さっきまでレンたちについて歩いてたし、崖をおちたことで現在位置がどこなのか全くつかめない。
進んでいるのか戻っているのかもわからなくてすぐに行き詰ってしまった。






「お前、バカだろ」

「バカバカ言わないでよ!」

「おとなしく俺について来い」

「………はぁ」






でも、これはこれでチャンスなのかも。
レンたちの旅の目的は悪魔たちの目的を調べること。
敵の根城に忍び込めばその目的に近づけるかも。
あの“魔王”とやらにも会えるかもしれない。

今、それを知る絶好のチャンスだ。






「わかった。あんたについて行くわ」

「…やけに物わかりがいいな」

「あんたについて行くしか道はないんでしょ」






悟られないように。
私はあきらめた風を装う。






ロイドはなにも言わず私の前を歩き出した。
私はそれに慌ててついて行く。





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