プリンセス☆ロード
「ねぇ、なんで飛んで行かないの?」
「……」
あれからずっと歩きづめだ。
ロイドは悪魔なのだし、羽があるんだから飛んで私を連れて行けばいいのに。
それをせずずっと歩いている。
私の問いかけに、ロイドは答えず先先歩いていく。
レンたちとは違う。
私の歩幅に合わせようとしないからどんどん引き離されていきついて行くのがやっとだ。
はぐれたらどうするつもりなんだろう。
それに、私が逃げたらとか考えないのかな?
ああ、違うね。
ロイドが言っていたことを思い出す。
私が逃げてもすぐに追いつける自信があるんだ。
人間よりいろいろなものが優れてるんだろう。
嗅覚とか、視覚とか、それから運動能力も長けている。
人間よりも優れている部分が多いはずなのに、どうして人間を目の敵のように襲うんだろう。
「…ねぇ。どうして、悪魔は人間を襲うの……?」
ロイドの背中に問いかけたその時…。
「姫を見つけたぞ!!!」
突然聞こえた叫び声。
バサバサと聞こえる羽音に悪魔だと気付いた。
どうして!?
「姫は、俺のものだ!!!!」
悪魔が私を襲ってくる。
私はとっさに身動きが取れない。
そんな私を突き飛ばすようにかばったのは、ロイドだった。
しかし、そのまま崖下へまっさかさま。