プリンセス☆ロード
「…い、…おい!」
いつの間にか眠っていたらしい私は身体を揺すられ目を覚ます。
もう、気持ちよく眠っていたのに。
「なによぉ」
「寝ぼけてんじゃねぇよ、あほか」
「あほって…、あ、あんた…!」
つくづく嫌な言い方をする相手を見て体を起こす。
目の前のロイドは身体を起こし私を覗き込んでいた。
よかった、無事みたい。
「ちょっと、寝ときなさいよ。あんた、怪我人なのよ」
「軟な人間と一緒にするな。これくらいのケガ、すぐに治る」
「なによ、痛そうだったくせに」
「は?」
「今にももうダメーって泣き出しそうだったくせに!」
いーっと歯をむき出しにして見せるとロイドの目が座る。
「お前、俺を怒らせたらどうなるかわかってるだろうな」
「なによ。やる気!?」
「……」
でも、そのままロイドは体の向きを変え顔をそむける。
本気でやりあうくらいの気持ちだった私は面食らう。
「ちょっと」
「お前は、俺が怖くないのか」
「え?どういうこと?」
「俺は悪魔だ。人間を襲う悪魔なんだぞ」
なにを気にしているんだろう。
ユラユラとランプの明かりが揺らめく。
外はまだ暗闇に包まれている。