プリンセス☆ロード




「怖がって欲しいの?」

「…いや」

「あ、でも、怒ってはいるわよ!あんたは私の大切な人たちを傷つけたんだから!」





それは忘れてもらったら困る。
それでも、こうして話をしているんだから、やはり私は平和主義なのかもしれない。
できれば争いなんてしたくない。
戦わなくて済むのならそれに越したことはない。

悪魔が襲ってくるから戦うという選択を私はしたわけだけど。
それがないのなら、戦いたくなんてないの。







「…人間は、誰だって悪魔を怖がり恐れおののき、悪魔を恐怖の対象として見ている」

「うん…」

「そのくせ、自分たちの方が強いのだと、力を誇示するんだ」






ロイドの声からは深い憎しみが伝わってくる。
それはきっと根深いものだろう。
長年、積もり積もった憎しみ。





「人間が、嫌い…?」

「……人間なんて、消え去ればいい」





ひどく冷たい言葉。
それほどまで思い詰めてしまう理由、それはいったい…?



私は人間だから、人間を美化しすぎているのかもしれない。
人間がいつでも正しいと、信じすぎているのかもしれない。
そんなことないのに、人は誰しも間違いを起こすし、失敗もする。
人間にだって、善と悪がある。




「教えて。人間と悪魔の間に何があったのか」

「…そんなこと聞いてどうする」

「知りたいの。この世界の事。全て知らないと、守りたい物だって守れない」





それが正しいことなのか。
いろんな面で見てみないとわからない。






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