プリンセス☆ロード
次の日、一夜を洞窟の中ですごした私たちは日が上ると同時にそこを出て歩き始めた。
治癒能力にたけているとはいえまだ人ひとり運ぶ力はないからと、徒歩での移動だ。
私はどこに連れて行かれるんだろう。
どこでもいい。
その場所で、私のできることをするだけ。
いつの間に、私はこんなに強くなったんだろう。
いろんな人に出会い、いろんな出来事を通して強くたくましくなれたのかな。
「…一つだけ教えておいてやる」
「え、なに?」
「お前を浚って、魔王さまが企んでおられるのは、…人間の抹殺だ」
言葉を失う。
人間の抹殺。
思った以上に残酷な目的。
交渉する余地もなく、分かち合う気も更々ない。
「絶望したか」
「…大丈夫。諦めない」
「…そうか」
「諦めの悪さなら負けないわ」
諦めなければ何かは変わる。
好きでいたら、思いが通じたように。
ほら、誰かが言っていた。
愛はパワーだって。
私も愛のパワーで乗り切ってみせる!
「ねぇ、どこに行くの」
「…黙ってついて来い。俺は別にお前を認めたわけじゃない」
「わかってるけど…」
目的がないとこの山道頑張れないのよ…。
答えてくれるわけないってわかってたけど、私はため息をつく。