プリンセス☆ロード





「そうだ…、あの、聞きたいことがあるんだけど」

「…はぁ、お前は少しは黙れないのか」

「一つだけ!」





ずっと疑問に思っていたこと。







「どうして、ロイドと一緒にいたのに悪魔に襲われたの?ロイドの事が見えなかったのかな?」






そう。
あの時、悪魔は私を襲ってきた。
ロイドと一緒にいたはずなのに。
ロイドは悪魔側なのだから、ロイドが私を連れていたなら襲う必要なんてなかったはず。





「見えていたさ。見えていて襲ったんだ」

「え…どうして?」

「手柄を自分のものにしたいんだ。お前を持ちかえれば悪魔としての確固たる地位を手に入れられるからな」

「確固たる地位…」

「魔王さまの側近として、城に仕えられる」






それが約束されているんだ、とロイドは言う。
だから、その手柄を横取りしようとしたの?
仲間を傷つけるかもしれないのに?





「ずっと安全だからな。そして、安泰だ」

「ロイドも…その地位がほしいの?」

「…俺は」





ロイドが黙り込む。
そんな地位のために、していることなの?







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