プリンセス☆ロード




「魔王が、父親…?」

「ああ…」

「そんな、酷い!」





実の父親にこんな仕打ちを受けるなんて。
しかも、魔王はロイドの事も僕だと言った。
自分の息子を僕扱いしたんだ。





「俺が、至らないんだ。仕方ない」

「なんで!?ロイドは、ちゃんと私の事連れて行こうとしてた。それなのに」

「……俺が向かっていた方向は、この城じゃない」

「え…?」

「正反対の方向だ」






それって、どういう……。
もしかして…。



「私を、レンたちのもとに返そうとしてたの?」

「……」

「どうして?ロイドの目的は私を浚うことでしょう!?」





人の事をバカバカ言っておきながら、自分が一番バカじゃない。
その結果、自分がこんな目に遭って。





「バカ!バカバカバカ!」

「お前…。いい加減に……泣いてるのか」

「…っ、泣いてないわよ!」




もっと嫌な奴なら良かった。
もっともっと、根っからの嫌な奴で。
憎むにふさわしい人なら良かった。




変なことを考えずに私を連れてきていれば、こんな目に遭わなかったんじゃないか。
私を浚うために、襲ってきたくせに。






「…自分でも訳が分からんのだ。なんで、自分がこんなことをしてるのか、わからない」

「ロイド…」





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