プリンセス☆ロード





なんて優しい目をしているんだろう。
初めて会ったときは、なんて冷たい目をしているんだと思ったのに。
こんなにも優しい目をしてたなんて。






「伝書鳩を飛ばしてある。あいつらもその道を通ってこっちに向かっているはずだ」

「え…」

「振り向かずに走れ」

「ロイドは…?」





私に馬の手綱を握らせるロイドに投げかけた言葉。
ロイドは少し黙り込む。





「俺の事は、気にするな」

「でも!」

「元々、俺とお前は敵同士だ。俺の事なんて忘れればいい」

「そんなことできないよ!」






ロイドはここに残るつもりなんだ。
不安が的中し私は必死で引き止める。




「一緒に行こう!一緒に、逃げよう!」

「…早くしろ。追手が来る」

「ダメだよ!ロイドッ!」






私の言葉を聞こうともしない。
覚悟を決めた顔。
そんなの、ダメだよ。

魔王がこんなことしたロイドを許すわけないよ。
どんな目に遭わされるかわからないのに!






「…お前に出会えて、よかった」

「ロイド!」





私を見て微笑んだロイド。
馬のお尻を叩くと、驚いた馬が走り始める。





< 381 / 469 >

この作品をシェア

pagetop