プリンセス☆ロード
なんて優しい目をしているんだろう。
初めて会ったときは、なんて冷たい目をしているんだと思ったのに。
こんなにも優しい目をしてたなんて。
「伝書鳩を飛ばしてある。あいつらもその道を通ってこっちに向かっているはずだ」
「え…」
「振り向かずに走れ」
「ロイドは…?」
私に馬の手綱を握らせるロイドに投げかけた言葉。
ロイドは少し黙り込む。
「俺の事は、気にするな」
「でも!」
「元々、俺とお前は敵同士だ。俺の事なんて忘れればいい」
「そんなことできないよ!」
ロイドはここに残るつもりなんだ。
不安が的中し私は必死で引き止める。
「一緒に行こう!一緒に、逃げよう!」
「…早くしろ。追手が来る」
「ダメだよ!ロイドッ!」
私の言葉を聞こうともしない。
覚悟を決めた顔。
そんなの、ダメだよ。
魔王がこんなことしたロイドを許すわけないよ。
どんな目に遭わされるかわからないのに!
「…お前に出会えて、よかった」
「ロイド!」
私を見て微笑んだロイド。
馬のお尻を叩くと、驚いた馬が走り始める。