プリンセス☆ロード
たとえ、その結果裏切られたとしても。
それで傷ついたとしても。
このまま見捨てたほうが絶対に後悔する。
「覚悟は、できてるんだな」
「うん」
涙を拭い、決意を込めた瞳でレンを見る。
私の甘さが招いたこと。
レンたちが何と言おうと、私は助けに行く。
「…これを見ろ」
「え…?」
「ロイドの遣いが寄越した手紙だ」
レンに手渡された手紙。
私はそれを受け取り開いていく。
そこには、私を返してほしければ魔王の住む城に来いと書いてあった。
その下には、城までの地図。
「別に、そんなものを寄越してわざわざ紗南の居場所を知らせる必要なんてない。むしろ知らせないほうが、悪魔の計画を遂行できるはずだ」
「…うん」
「それでも、それを寄越したのは、俺たちが紗南を助けに来るように仕向けたとしか考えられない」
私はレンを見る。
それは、私の事をレンたちに助け出してもらうため?
ますますわからない。
ロイドが、どうしてそんなことを考えて行動を起こしたのか。
人間は嫌いだと、恨んですらいたはずのロイド。
私のことだって本気で狙っていたはず。
それなのに、どうして……。
「紗南が信じるというなら、俺は反対はしない」
「レン…」
「その手紙が、本心だといいと、俺も思う」