プリンセス☆ロード
ごめんね、と心の中で謝る。
でも、引き返すつもりはないの。
だから、言わない。
全て終わったらちゃんと謝るから。
「戻ろう」
私たちはまた来た道を戻っていく。
宿に戻ると私たちは一部屋に集まる。
少し腹ごしらえをして、結界をどう破るかについて話し合いだ。
「結界を張るには、何か媒介はあるはずです。つなぎ目、というか何か違和感はあるはずなんです。結界が張られているその場所さえつかめば、結界を解くのはそう難しくないと思いますけど…」
「どうやって探すかってことだよな。むやみに探し回っても無駄だろう」
リュウはベッドに大の字になりながら頭を抱える。
結界とか何とか、まるで漫画の世界だ。
この世界に来て結構経ったから、私にとっては非現実的な出来事の数々には少しずつ慣れてはきているけれど。
「結界が張られているとはいえ、城自体が消えたわけではないはずですからね」
「その場所さえはっきりしたらいいんだけどねー」
それが一番難しいのだ。
私たちは、結局いい案も出ないまま解散し体を休めることになった。
私は自分の部屋に向かう廊下で自分なりにどうしたらいいかを考える。
「紗南」
その時、呼び止められ振り返るとレンの姿。
私は立ち止まるとレンが私の手首をつかみ引っ張るようにして連れ出される。
「れ、レン?」
突然の事に戸惑う。
いったいどこに行くの?