プリンセス☆ロード



「勘違いするな。紗南を利用しようとしたお前たちにあんたのせいだと責められる謂れはない」

「レン、いいよ…」

「わかってるよ!あたしだってわかんないんだ!なんて兄ちゃんがあんたなんかかばってあんな目にあってるのか‼︎」






エリサちゃんが叫ぶ。
きっと、憤りをぶつけたいのに誰にぶつけたらいいかわからないんだ。





「兄ちゃんは、誰よりも人間が嫌いだったのに…」

「ロイドは…無事?」

「…生きてる。…生きてるけど…」




エリサちゃんの表情が曇る。
嫌な予感がよぎった。
あまりいい状況ではないことがわかる。




「…人間を助けたことで…悪魔たちから蔑まれてる。…魔王さまから酷いお仕置きを受けて、幽閉されてる…」

「幽閉…」



なんとなく、覚悟していたこと。
ただですむはずがないと。


「人間になんて頼みたくない…けど…」

「エリサちゃん…」
「お願い…助けて…」




こんな小さな子が涙を浮かべて。




「当たり前でしょ」

「え?」



明るく勤めて笑う。
安心させるように。
少しでも、警戒心が取れるように。




「私たち、これからロイドを、助けに行くつもりだったのよ」

「え…」

「だから、大丈夫よ」





私がそう言うと、信じられないというように口をあんぐりと開く。





「ど、どうして?だって、あたしが人間を嫌いなように人間だって悪魔を敵視してるはずでしょ?」

「でも、ロイドは私を助けようとしてくれた。自分を犠牲にして。そんな人を見殺しにするなんてできないよ」





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