プリンセス☆ロード
「お願い。私たちをロイドの元まで連れて行って」
「え…」
「昨日、逃げて来た道を辿って行ったんだけど、城が見当たらなくて…」
「敵に見つからないように結界が張ってあるんだ。あたしと一緒にいれば大丈夫だよ」
やはり、結界が施されているようだ。
エリサちゃんがいれば、城には辿り着く。
希望が見えてきた気がする。
「案内する。…でも、その前にあんたたちを連れて行きたいところがある」
「連れて行きたいところ?」
私が繰り返し尋ねると、エリサちゃんは静かに頷いた。
私たちは顔を見合わせる。
「連れて行って」
覚悟を決めてそう言うと、エリサちゃんは歩き出した。
私たちはその後を追いかける。
ついたのは洞窟。
人工的につくられたものなのか、大きな扉がつけられていた。
その扉を開き中に入って行く。
ピチャンピチャンと水が落ちる音。
湿気の多いその場所を進む。
「この先になにがある」
「…ついたらわかる」
レンの問いは上手くかわされ、黙ってついていくしかない。
あの涙は嘘じゃない。
だから、ここには何か大切ななにかがあるんだろう。
同情を誘い私たちを襲うつもりではないのはわかる。
だから、レンもそれ以上なにも聞かずに黙ってついて行っている。