プリンセス☆ロード
「これは…?」
洞窟の終点地点にあったのは、大きな岩に突き立てられた三本の剣。
「あんたたちのそんな武器じゃあ魔王さまには敵わない」
「この剣は…」
「あんたたちが初めに手にしたあの大砲。あれと同じ種類の伝説の武器」
今はリュウが持っているあの武器。
あれは伝説の武器だったらしい。
「あたしたちは、この剣の在り処は早くに見つけていた。でも、これは悪魔にはとれなかったんだ」
「え…?」
「抜こうとすると…」
エリサちゃんが剣を掴み抜こうと引っ張る。
すると、ビリビリと電流のようなものが流れるのが見えた。
「こんな感じに拒まれる。特殊な結界が張ってあるんだ」
「…これ、私たちが抜けたら…」
「あんたたちにあげる」
あっさりとそう言い切るエリサちゃんだけど、悪魔側としてはいいのだろうか。
敵とする私たちに武器を与えることになる。
「兄ちゃんを蔑ろにする奴ら、あたしはいらない」
「ロイドのこと、大好きなんだね」
「…あたしを理解してくれる唯一の人だから」
エリサちゃんの表情が曇る。
「俺たちの目的は、ロイドを助けることだけじゃない。事と次第によれば、魔王を討伐することになる」
「…かまわない」
「でも、魔王はエリサちゃんにとってもお父さんなんでしょう?」
ロイドはだからこそ魔王に認められたかった。