プリンセス☆ロード
第28話 『…借りを作ったままでは寝覚めが悪いからな』
「あ、あの…抜けちゃったんだけど…」
なんとも素っ頓狂な声が出てしまった。
いや、でも、いとも簡単に抜けてしまったことに驚いている。
抜けてしまったこの剣をどうしようかと、なぜかいたずらをしてしまった子供のような心境になる。
「なんでこいつに抜けなくてあんたに抜けるわけ!?」
「し、知らないよ!」
「救いの姫って、そんな力もあんの?」
「だから、知らないわよ…」
まさか抜けるだなんて思わなかったんだから。
まさか、と他の二本も手に取ってみるとこれまた簡単に抜けてしまう。
「今までの話し合いはなんだったんだ」
「ちょ、ちょっと、私のせい?」
心外だわ!
でも、とにかくこれで一つの問題は解決したんだから!
「はい、レン。ソウシ、ミナトも」
三人に剣を渡していく。
リュウには大砲があるし、これはこの三人がふさわしいだろう。
「…あ、これ…」
ミナトが受け取った剣をまじまじと見て何かに気付いた。
それを覗き込んでみると、それは大砲にもあった私の持っているネックレスと同じような石。
「これが伝説の武器と呼ばれる理由なのかな?」
同じ石が埋め込まれた武器。
この石には不思議な力があることは実証済みだ。
ならば、魔王にも立ち向かう力になるかもしれない。