プリンセス☆ロード
気を取り直して私たちは洞窟を出て城を目指す。
「お前と一緒にいれば城は見つかるんだな」
「当たり前だろ。現に、兄ちゃんと一緒にいたこの女も入れたんだから」
「…あの、私紗南っていうんだけど」
こんな小さな子供にこの女扱いされるのは、なんだか悲しい。
エリサちゃんは私をちらりと見ると、なにも言わず顔をそむけた。
「見た目は子どもだが、俺たちよりずっと長く生きてるぞ、あいつ」
「…え!?」
「人間と悪魔、寿命も成長の速度も違うに決まってるだろう」
レンがこそっと告げる事実に目を丸くする。
見た目は小学生くらいなエリサちゃんだけど、実際は私なんかよりずっと長く生きてる…。
でも、それもそうか。
それが人間と悪魔の違いなのかもしれない。
「ねぇ、エリサちゃんはロイドを助けた後どうするの?それこそ、あなたも危険なんじゃ…」
「あたしは、兄ちゃんさえ助けられたらあとはどうでもいい。あんたたちが魔王さまをどうしようがどうだって。それであたしがどうなっても」
それは、覚悟というものなのだろうか。
人間である私たちに助けを求めることを決めた時点で、きっと大きな覚悟をしていたんだろう。
人間を助けたロイドが今うけている仕打ち。
それを想えば、人間に助けを求めたエリサちゃんだって…。
「あたしは、どうだっていいんだ。別に城でなくても生きていける。魔王さまに認められて地位を確保したいとも思わない。魔王の娘、姫として生きる気もない」
「それじゃあ、どうするの?」
「さあ。…兄ちゃんは怒るだろうな」
それを、許してはくれないだろうと笑った。