プリンセス☆ロード
「あ…」
目の前に突如現れた大きな城。
まじまじとこんな風に見上げたのは初めてだ。
思った通りとても大きな城だ。
「これが、城だ。ここが裏口。黙ってついてきて」
「…うん」
私たちだけでは見つけられなかった城。
こんなにも簡単にたどり着いた。
「ねぇ、どうして私たちにも城が見えたの?」
気になって問いかける。
その結界というのは悪魔と一緒にいれば通用しないってことだろうか。
「あたしと手を繋いでいるから。あたしと繋がっていれば、悪魔の気みたいなのが繋がっている場所を通じて伝わる。そうすれば結界は反応しない」
「そうなんだ…。でも、私がここに連れ去られた時、誰とも手を繋いでなかったよ?」
「縄で繋がれていたんでしょ?繋がるのは何も手じゃなくても構わないんだ。縄を通して兄ちゃんと、それから二人を運んできた悪魔とつながった。それで十分」
「なるほど…」
納得して黙る。
エリサちゃんについて中に入っていくと、それは地下に続く階段だった。
この先にロイドがいるんだろうか。
「おい、もしかして牢に向かってるのか?」
「そうだよ」
「ならば、見張り役がいるだろう。あまり騒ぎになるのは避けたい。作戦を練ってからでも…」
「平気だよ」
レンの言葉にそうだ、と思ったけどエリサちゃんはあっけらかんとしている。
なにか作戦があるんだろうか。