プリンセス☆ロード
エリサちゃんが言った通り、一度も悪魔に出会うことなく牢の前までやってきた。
でも、これって、私たちがいなくてもエリサちゃんだけでも助け出せたんじゃないだろうか。
「…この牢の鍵はあたしじゃ開けられないんだ」
「え?」
「鍵を持っていない悪魔が触れると、その結界に拒まれ姿もろもろ消え去る」
「う、ウソ…」
さっきの疑問はいとも簡単に解けた。
それにしても、結界っていうのはいろいろな効果があるんだ。
「でも、人間だったら大丈夫って保証は…?」
「悪魔を憎む人間が悪魔を助けるはずがない。結界には種類はあるけど、悪魔も人間も拒む結界はつくれない」
結界も奥が深いのだと思った。
それならば、私たち人間が触れられる可能性は頷ける。
しかし、触れられたとして、助けられるとは限らないのだ。
結果、そのカギを破壊することしかないのだろうけど。
「この大砲をぶっぱなつか?」
「ちょ、それじゃあ中にいるロイドもただ事じゃ…」
「それに、その音で気づかれるな」
私とレンがそう言うと、リュウはちぇっといじける。
本気でいい案だと思っていたのか…。
ただ、大砲を使いたいだけのように思えるんだけど。
「…私ならできるかも」
「紗南、よせ。その話がすべて事実だとは限らないんだ。罠だという可能性だってまだあるんだ」
レンが止めに入る。
レンが慎重になるのはわかる。
相手は悪魔だ。
信じきれない気持ちもわかる。