プリンセス☆ロード
「大丈夫。私を信じて」
「紗南を信じたところで…」
「レン、本当に大丈夫だから」
人間と悪魔の確執は、きっとそう簡単に拭い去られるはずがない。
ロイドが言っていた、過去人間がした仕打ちの話。
その話をレンたちにはできていない。
どう説明したらいいのかわからなかったから。
互いに誤解や、すれ違いがあって、憎しみ合い、こんな風に争わなければいけない世界になってる。
もしかしたら、もう手遅れなのかもしれない。
人間を説得するのも容易ではない。
悪魔に許してもらうことも容易ではない。
「私は、信じたいの」
この世界の未来を。
大それたことなんて言えないけれど。
そっと牢のカギに触れる。
ネックレスを片手でそっと握り、力がカギに流れ込んでいくイメージを浮かべていく。
ギシギシと小さな音が鳴る。
耐え切れなくなった鍵が音を立て割れ落ちた。
「できた…」
エリサちゃんが言っていたことは本当だった。
ね、言ったでしょ?
私はレンを見て笑う。
レンは小さく頷いた。
「兄ちゃん!」
エリサちゃんが私を押しのけるように扉を開き中に入っていく。
私たちもそれに続いて中にはいる。