プリンセス☆ロード
そこには、変わり果てた姿で鎖に繋がれているロイドの姿が。
私は言葉を失った。
体中、傷だらけで血が滲み、腕や足には蚯蚓腫れのようなものができている。
足が見えるのは、来ている服がボロボロに引き裂かれていたから。
ロイドはぐったりと力なく壁に身を任せ倒れていた。
意識はかろうじてあるのか、うつろな瞳が私たちをとらえる。
「…なぜ…貴様らが…」
「ロイド…!ごめんなさい…っ、私のせいで」
思わずロイドに駆け寄る。
ロイドは私を視界に入れると、動揺したように目を泳がせる。
でも、動ける気力も体力も残っていないようだった。
「…帰れ。…貴様らに…同情されるなんて…屈辱だ…」
「兄ちゃん!あたしが頼んだんだ、こいつらに!兄ちゃんを助けてほしくて…」
「余計なことを…」
ロイドだって、複雑だろう。
敵だと思っていた私たちに助けられるのは。
ロイド自身が言うように屈辱でしかない。
「減らず口をべらべらと…。誰が同情なんかするか」
レンがそう言うともらったばかりの剣を抜き、振りかざすと壁から釣り下がりロイドの腕を締め上げている鎖を切り落とした。
「俺たちも、この城に用があるんだ。貴様なんか、ついでだついで!」
「レン!」
「…貴様…」
今にも戦いが始まってしまいそうな一触即発の空気に戸惑う。
エリサちゃんとも相容れないレンが、ロイドとなんて到底無理だ。