プリンセス☆ロード
「…レン、顔が怖いですよ」
「煩い」
「やきもち、ですか?」
「…そんなんじゃねぇよ」
そんな私たちを見て、レンとソウシがそんな会話を交わしていたなんて、私は知らなかった。
ともかくも、どうにかここを抜け出さなければ。
見張りがいないとはいえ、バレルのは時間の問題だ。
「ロイド、歩ける?」
「…ああ」
「行こう」
この状況のロイドを庇って戦うのは避けたい。
万全の態勢であっても、敵うかどうか程の相手だ。
私たちは、降りてきた階段を駆け上がる。
見つからないように、息を殺し、ただひたすらに走った。
そして、城の外に出てそこからは馬に乗り、人間の大陸まで馬を走らせた。
運よく悪魔に見つかることもなく、追手はいなかった。
宿になだれ込むように入ると、安心して体から力が抜けた。
「よかった……」
今頃、悪魔の城は大騒動だろうか。
もしかしたら、ロイドを探す追手がこちらにも来るかもしれない。
それまでに、ロイドのケガを治さなければ。