プリンセス☆ロード




「…レン、顔が怖いですよ」

「煩い」

「やきもち、ですか?」

「…そんなんじゃねぇよ」





そんな私たちを見て、レンとソウシがそんな会話を交わしていたなんて、私は知らなかった。
ともかくも、どうにかここを抜け出さなければ。
見張りがいないとはいえ、バレルのは時間の問題だ。





「ロイド、歩ける?」

「…ああ」

「行こう」





この状況のロイドを庇って戦うのは避けたい。
万全の態勢であっても、敵うかどうか程の相手だ。
私たちは、降りてきた階段を駆け上がる。



見つからないように、息を殺し、ただひたすらに走った。







そして、城の外に出てそこからは馬に乗り、人間の大陸まで馬を走らせた。






運よく悪魔に見つかることもなく、追手はいなかった。
宿になだれ込むように入ると、安心して体から力が抜けた。






「よかった……」





今頃、悪魔の城は大騒動だろうか。
もしかしたら、ロイドを探す追手がこちらにも来るかもしれない。



それまでに、ロイドのケガを治さなければ。




< 410 / 469 >

この作品をシェア

pagetop