プリンセス☆ロード
「あれ、エリサちゃん…?」
ここまで来るのに必死だった。
だから、いつの間にかエリサちゃんがいなくなっていたなんて気づかなかった。
「あいつなら城に戻った」
「えっ⁉︎」
エリサちゃんの姿を探す私にレンが教えてくれたのは衝撃的な事実。
「どうして⁉︎」
「自分までいなくなったら不自然だから、魔王の気を引いてロイドの逃亡の発見を遅らせる、と」
「それで、行かせたの!?もし、バレてエリサちゃんの協力が知れたらエリサちゃんだって…!」
どんな目に遭うか…。
それを想像して身震いをする。
レンにあたるのは間違ってる。
そんなことくらいわかってる。
「ごめん…」
「あいつの気持ちを無駄にするな。ロイドの手当て、お前に任せた」
「…うん」
レンがここまで協力してくれることに感謝しなくちゃ。
レンは国の騎士だ。
国を襲う悪魔と幾度となく対峙してきた。
そして、レンは悪魔に大事な人を殺されている。
恨んでいるはず。
憎んでいるはず。
それなのに、黙って私に協力してくれる。
「レン、ごめんね…」
「お前がめちゃくちゃなのは今に始まったことじゃない」
「うん…」
私は笑って頷いた。