プリンセス☆ロード
私とロイドのにらみ合い。
でも、負けてたまるか。
「悔しかったら、けた外れた治癒能力で早く回復してみなさいよ!」
「なに?」
「それに…、そんな体で行って、結局あんたがやられちゃったら…。エリサちゃんの努力が無駄になっちゃうのよ!」
ロイドのために、ロイドを助けたくて魔王のもとに残った。
その思いを踏みにじるつもり!?
そうつづけて叫ぶと、ロイドは押し黙った。
「エリサちゃんは、それくらいあんたの事守りたいのよ」
「…くそっ」
悔しさを押しつぶすように拳をベッドに叩きつける。
ロイドだってわかってるはずだ。
今の状態で戻っても、なんの戦力にもならないこと。
自分が無力だと感じる時、虚無感に苛まれる。
「…俺は、間違ってたんだろうか」
「え…?」
「お前が言うように…分かり合える日が来るんだろうか」
「…来る。絶対に。私思ったよ。ロイドとレンを見てて、言い合いにはなっていたけど、それってちゃんと相手の存在を認めてるってことだから」
「認めてる…か…」
「言い合いでも、ケンカでもいい。いつかみたいな殺し合いじゃなくて、口で言い合えるようになってるのは、前進だと思う」
互いの鬱憤をさらけ出してしまえばいい。
憎しみも、悲しみも、全部ぶつけてしまえばいい。
きっとその先に、光はあるから。
「…お前がいるからだろうな」
「また、そういうこと言う」
「事実だ。俺とあいつらだけなら、そうはならない」
「そんなことないよ」
「いや…。お前がいなければ、今の状態の俺をあいつらが見過ごすわけないんだ。討伐には恰好の時だからな」
そんな悲しいことを。
でも、否定しきれない自分もいる。