プリンセス☆ロード
「だが、魔王さまを倒すのは容易ではないぞ」
「わかっている」
「…俺はお前らの力にはならない」
「ハナから期待していない」
レンのはっきりした物言いにロイドは「そうか」と笑う。
見てるこっちがハラハラする。
「一つ、聞かせてくれ」
「なんだ」
「なぜ、悪魔は人間を襲う」
レンの言葉でみんなの視線がロイドに注がれる。
私は、うつむきロイドの答えを待った。
私は、すでに聞かされている。
人間と悪魔の過去。
ロイドは話し始めた。
私に話してくれたのと同じ話を。
皆は黙って最後まで話を聞いている。
その心に何を思うのか…。
「俺が聞かされている話とは違うな…」
「え?レンも聞いていたの?」
「ああ…俺が聞いた話は、悪魔の方から仕掛けてきて、それに反撃する形で始まった戦いだと…」
「そんなはずは…!」
話が、食い違っている。
悪魔は人間が仕掛けた戦いだと。
人間は悪魔が仕掛けた戦いだと。
どちらが本当なのか。
「じゃあ、皆も?」
そう聞くと、皆は顔を見合わせる。
「僕たちは…初耳です」
「同じ騎士なのに知ってる人と知らない人がいるの?」
「この話は機密事項になっている。一部の人間しか知らない」
「へぇ…。そっか、レンは隊長だもんね」
でもどうして…。
「でも、どうして機密事項なの?」