プリンセス☆ロード
私たちは、再び城に向けて出発した。
魔王と、直接対決になるかもしれない。
無傷で帰ってくることは難しいかもしれない。
「平気か?」
「…うん。頑張ろうね」
私ができることってなんだろう。
ただ、足手まといにならないように隠れているだけ?
そんなの、嫌だ。
私も、役に立ちたい。
この世界の人間じゃなくても、この世界には私によくしてくれた人たちがいる。
大好きな人がいるんだから。
「あれ…?」
目の前に大きな城がそびえ立つ。
その光景に、首をかしげた。
「どうして?まだ手を繋いでいないのに…」
悪魔と繋がっていないと城の姿は見えないはず。
エリサちゃんと来た時だって、そうだった。
「魔王が気づいたということだろう。宣戦布告といったところか」
「堂々と入ってこいってことだよね?」
リュウとミナトがそう言って笑う。
武者震いといったところだろうか。
「紗南」
「え、あ、うん。無茶はしないよ」
「いや。無茶してもいい。お前がしたいようにしろ」
「え…」
「そんな紗南を俺は守ると決めたんだ」
レン…。