プリンセス☆ロード
「いったぁぁぁぁ」
落ちてきたのは冷たいコンクリートの床の上。
いたむお尻をさすりながら身体を起こす。
周りを見ればみんなも同じように落ちてきたみたい。
ロイドだけは宙に浮かび平気な顔。
…なんか、ずるい。
「ククク。よぉくきたな、人間」
肩がビクッと震える。
その声を聞いただけで、恐怖が蘇る。
覚悟してきていたはずなのに、一瞬で恐怖に支配される身体。
そんな私の肩をそっとレンが抱いてくれる。
それだけで、少し安心できる。
「貴様が、魔王か」
「そうだ。なんだ、姫を返しに来てくれたのか」
「貴様には、いろいろとお礼をしないとな」
レンは立ち上がり、魔王と向かい合う。
その姿を見なくても、威圧感で押しつぶされそう。
「おお、ロイド。悲しいよ、父に歯向かい人間と共にするとは」
「なにが父だ。息子とも思っていないくせに」
「なにを言う。手塩にかけて育て上げた我が息子よ」
「黙れ!エリサはどうした!」
ロイドの叫び声が響く。
手が、震えている。
ロイドだって、魔王には逆らえない。
そうやって育てられてきたんだ。
「…悪い子は、お仕置きだろう」
「なに?エリサになにをした!」
「暗い部屋でお仕置きを受けているさ。もう、父に刃向おうと思わないようにね」
高らかに笑う魔王。
私は拳をぎゅっと握る。