プリンセス☆ロード
「なにがお仕置きよ。何が刃向わないようによ!」
「紗南!」
「そんなお仕置きをしないと、言うことを聞かせられないなんて、何が魔王よ!何が父親よ!」
黙ってなんていられるもんですか。
怖い。
身体は震える。
それでも…!
「力で支配して、恐怖で抑えつけて…。力でしか自分の強さを誇示できない、臆病者よ!」
「なに?」
「やめろ、紗南!」
ロイドが振り向いて叫ぶ。
でも、もう遅かったんだ。
魔王が叫びながら拳を振り下ろしてくる。
レンが私を抱き抱えそれをよけた。
地面に叩きつけられた拳は、コンクリートの床にのめりこんでいる。
「……っ」
「なんつーバカ力だよ」
リュウの呟きを聞きながら、私は震える体を抑えていた。
「人間の小娘が、おのれバカにしおって」
「怒るってことは、図星なんでしょ!力で抑えつけていないと誰も言うこと聞いてくれないって怖いのよ!臆病者!」
「きさまああああああ!!!」
振り下ろされる拳から逃げる。
しかし、二度目の攻撃はよけきれずカスってしまい私たちの身体は吹き飛ばされた。
「きゃあっ」
「くっ!」
最後まで私の身体から手を離すまいとしてくれていたレンだったけど、吹き飛ばされた衝撃で私たちは離れ離れに。