プリンセス☆ロード
花壇の陰に隠れて様子をうかがっていた私。
「紗南ちゃん?」
声をかけられ、ビクッと肩を震わせた。
…見つかっちゃった。
「あ、ミナト…くん」
「ミナトでいいよ。どうしたの?こんなところで」
振り向いた先にいたのは、一番隊のミナト。
こんなところにいる私を咎めるわけでもなく、不思議そうに問いかけた。
「部屋、退屈だった?何か本でも持って行ってあげるよ!」
「…違うの、そうじゃなくて」
「へ?…もしかして、城の外に出ようと思ったの?」
誤魔化しきれなかった私。
もしかして、ミナトなら…。
「ミナト、お願い…」
「え?」
「見逃してくれないかな?もしばれても、ミナトに見つかってたことは絶対に言わないから!」
見逃してくれるんじゃないか。
でも、きっと騎士としての立場として、見逃したってなったらもしかしたら怒られるだけじゃすまないのかも。
だったら、絶対に言わないと約束すれば……。
「ダメだよ、紗南ちゃん」
それでも、ミナトは首を縦に振ってはくれなかった。