プリンセス☆ロード
第30話 『これからが始まりだ』
「ぐあああああああ!!!」
魔王は雄叫びをあげ、苦しみだした。
よかった、私の狙いはうまくいったみたい……。
放された手から下へと落下していく。
ネックレスの力でどうにかしないと…。
そう思うのに、力が入らない…。
「紗南!」
私を受け止めてくれたのは、レンだった。
身体に力が入らない。
力を流しすぎたせいなのか。
「ごめ…レン…」
「大丈夫か?」
あ、怒らない…。
いつもなら、無茶はするなって怒るのに。
そっか、レン言ってたもんね。
私のしたいようにしたらいいって。
「力…流しすぎちゃったみたい…」
「ああ。よくやった。…少し休んでおけ」
レンはそういうと私を隅の方に運ぶ。
できるだけ安全な場所にという配慮からだろう。
「レン…」
「…ああ。早く終わらせよう」
レンが優しく微笑んだ。