プリンセス☆ロード





「みんなを助けてって必死で願ったの」

「そうか…。ありがとな」

「…うん」





全て終わったんだ。
皆、ボロボロだけど。
私も、まだ動けそうにないけれど。







「まだ、これですべてが終わったわけじゃない」

「え?」

「これからが始まりだ」




レンがそう言いながらロイドを見る。
そうだ。
悪魔の支配者がいなくなったんだ。

そして、人間と悪魔との確執もある。
きっかけは確かに魔王だったかもしれないけれど、そのあとの事は自分たちにも責任はある。







「ロイド。お前が、悪魔たちを導け」

「…俺が?」

「魔王の息子であり、すべてを知ったお前だからこそ、できることはあるはずだ」

「…」

「俺たちは、俺たちで、誤解を解けるように模索する。互いに目指そう。人間と悪魔が共存できる世界を」







いつか、来るだろうか。
それは骨が折れることだろう。

植え付けられた憎しみと恐怖は、簡単には拭い去れるものではないのだ。







それでも…。






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