プリンセス☆ロード
「…正式に姫として…?」
王様に呼ばれた私たちは、食事の後王の元へやってきていた。
そこで聞かされたのは、正式に姫として私をこの王宮へ迎え入れたいという話。
「紗南は、姫としてよく働いてくれた。こうして落ち着いた今、紗南を姫として向かいいれる準備も整っている」
「え…でも…」
「確かに、それは大きな決断となるだろう。できるなら、前向きに検討してほしいのだが…」
この世界で生きるということ。
それは、私の世界には戻れないということ。
私にはとても覚悟がいること。
どちらを選ぶべきなのか。
どちらも選べない。
選びたくない。
それでも、先延ばしにしたところで、決断の時は来る。
「あの…今までと、どう違うんですか?」
「正式にということは、我が息子である王子と正式に婚約し、婚姻関係を結ぶということだ」
「…え!?」
言葉を失う。
すっかり、忘れていた。
そうだ…。
姫になるということは、この国の王子と結婚することになると聞いていたはずなのに。
都合の悪いことはすっかり忘れていた…。