プリンセス☆ロード



「私…っ!」





起き上ろうとすると肩に鋭い痛みが走る。







「動かないほうがいいです。肩に、傷を負っているんですよ」

「あ…そうだ…」






肩の傷、やっぱり、あれは夢じゃなかった。
身体の震えが止まらない。

あの化け物は、いったいなんだったの?







「どうして勝手に外に出た」






ひどく冷たい声。
その声の主は、すぐにわかった。





「レン、そんな責め立てるような言い方は」

「ソウシは黙ってろ。どうして勝手な真似をしたか聞いてるんだ」

「……ずっと部屋にいて、外の世界が知りたかったの」

「そんな理由で勝手な行動をしたのか」

「そんな理由って!私にとっては…」







大きなことだった。
でも、こんなことになるなんて。
だって、知らなかった。





ううん。
でも、みんなは引き留めてた。
ダメだって、何度も言われた。








「ごめんなさい…」







素直にそんな言葉が出たのは、あの恐怖が蘇ったのと、私のせいでミナトが…。







そうだ。







「ミナトは!?」







私のせいで、ケガを!







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