プリンセス☆ロード
「…っ」
すぐ側で声がして、振り向くと隣のベッドの上で眠っているミナトがいた。
目を覚ます直前なのか身じろぎをしている。
「…ん、紗南ちゃん!」
目を覚ましたミナトは真っ先に私の身を案じて飛び起きた。
起き上ったミナトを見た私はホッとして涙が溢れた。
しかし、その空気を吹き飛ばしたのは、またレンだった。
バシン!!!
大きな音を立て、ミナトの頬を殴り飛ばしたのだ。
とても強い力で叩き飛ばされたミナトは床に倒れこんだ。
「ミナト!!」
「っ~!!!」
痛みに言葉も出ないミナト。
あまりの出来事に、私は息をのむ。
「なにするの!ミナト、怪我してるのに!」
「自業自得だ」
「なんですって!?」
冷酷なことを言うレンを睨みつける。
でも、レンは険しい顔をしてまっすぐにミナトを見ていた。