プリンセス☆ロード
「ミナト、お前自分がしたことがわかってるのか!」
レンの怒号が響く。
「お前は、なにも知らないこの女が外に出ることの危険を知っていたはずだろう!お前は、引き止めなければならない立場の人間だ。それが、一緒になって外に出るとはいったいどういうつもりだ!」
「…私が!私がわがまま言ったの!」
「そのうえ、守るべき対象から離れ、揚句見失い、けがを負わせた上に自分もケガを負い守れもせんとは!」
レンはそう言いながら、倒れこんだままのミナトの胸ぐらをつかみ起き上がらせる。
「守れないなら、この女が何と言おうと突き放すべきだったんだ、お前は」
「やめて!私が悪いんだから!」
「黙れ。お前どうこうではない。これから先、こんな勝手な行動があっては困るんだ。一番隊に、無能はいらん」
突き放すようにそう言うと乱暴に手を離しでていってしまった。
あんな言い方、私のせいだって言ってるのに。
「まったく、…ミナト、レンが言っている意味は分かりますね?」
「…うん」
「ソウシまで!」
「いえ、紗南さん。我々の仕事はそれほど重大なんです。人の命を守るんですから。ミナトの行動は決して許されることではありません。いくら、紗南さんが無理に連れ出したとしても」
「…そんな」
「我々が下した決断は、そう簡単に崩していいものではありません。それだけの理由があって、下された決定なんですから。今回で言えば、紗南さんが外に出ることを禁じていたことです」
ソウシが、丁寧に説明してくれる。
ミナトは黙ったまま、それを聞いていた。