プリンセス☆ロード
「ミナト、ありがとう。それでも、私は嬉しかったよ。外の世界が知れたこと。この世界が少し好きになれたから」
「紗南ちゃん…」
それは、本当。
明るい笑顔に溢れた町の人たちに出会って、王様を慕っているって知れて、素敵な所なんだって思えた。
信じられないって言ったけど、少しだけ信じられる気がした。
そのことは、本当に感謝してるから。
「あの…、私、この世界のこともっと知りたい。あの化け物の事も、ちゃんと教えてほしい」
「紗南さん…」
私のせいでミナトを傷つけた。
私が、なにも知らないせいで。
知りたい。
この世界の事。
そして、みんなの事。
戻ったら二度と会わないからって、知らんぷりするのはやめた。
この出会いを、大切にしよう。
私を守ってくれたミナトのためにも。
私を思って、伝え方を考えてくれていたみんなのためにも。
「わかりました」
そうして、ソウシがあの化け物について話し始めた。