プリンセス☆ロード





「ミナト、ありがとう。それでも、私は嬉しかったよ。外の世界が知れたこと。この世界が少し好きになれたから」

「紗南ちゃん…」





それは、本当。
明るい笑顔に溢れた町の人たちに出会って、王様を慕っているって知れて、素敵な所なんだって思えた。

信じられないって言ったけど、少しだけ信じられる気がした。





そのことは、本当に感謝してるから。









「あの…、私、この世界のこともっと知りたい。あの化け物の事も、ちゃんと教えてほしい」

「紗南さん…」






私のせいでミナトを傷つけた。
私が、なにも知らないせいで。




知りたい。
この世界の事。




そして、みんなの事。








戻ったら二度と会わないからって、知らんぷりするのはやめた。
この出会いを、大切にしよう。






私を守ってくれたミナトのためにも。
私を思って、伝え方を考えてくれていたみんなのためにも。











「わかりました」







そうして、ソウシがあの化け物について話し始めた。









< 58 / 469 >

この作品をシェア

pagetop