プリンセス☆ロード




あの化け物は、悪魔で“シャドー”と呼ばれている。
そして、あの化け物は、獣型の悪魔で、人型の悪魔も存在しているらしい。
獣型にもいろいろあり、本当に小物の悪魔や、私があった悪魔のように人に化けたり術のようなものが使えたりする悪魔まで様々いる。



大陸が二つあると聞いていたけど、その一つは悪魔が生息する大陸らしい。
昔はそれぞれの大陸で生きていた双方だが、突然悪魔側が人間の大陸に侵入し人間を襲う被害が相次いでいるらしい。
それは、おそらく人間の大陸を乗っ取るための行動ではないかとの見立てで、詳しく調べるため一番隊もその任務にあたっているそうだ。







「悪魔の目的は、おそらくこの大陸の乗っ取りだろう。しかし、そんな悪知恵を誰が与えてるのか。これまで、そんなことを考えて乗り込んできたことなんてなかったらしいからな」

「それを、調べて必要ならば悪魔退治を行っているんです」

「…そう」









なんだか、物騒。
現実離れした話だけれど、現実に見てしまっているのだから信じざるを得ない。








「信じて、くれる?」

「…うん。信じるよ」






ミナトにそう言われ、頷いた。
私が言ったことを気にしてるんだろう。
あんなこと、言わなければよかった。







「後、レンの事嫌いにならないでやってくれ」

「え?」

「あいつ、不器用なだけで、紗南の事、本当に心配してたから」








リュウが、おずおずと切り出した。
レンの事、嫌いになんて…今回の事でじゃなくて、もともと嫌いですけど。
なんてことは言えずに黙って聞く。





「紗南が部屋にいないってメイドが言いに来て、それを聞いたときの慌てっぷりったらなかったな」

「ええ。血相変えて飛び出していきましたからね」

「ウソ…」

「よほど、心配だったんでしょう」






そんなの、信じられない。







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