プリンセス☆ロード
「どうだった?」
「なにが?」
「テストよ、テスト」
「・・・私にそれを聞く?」
「あ、それもそうか」
美由紀はいいよね、頭いいんだから。
頭もよくて、かわいくて。
だから、丸川先輩とやらもコロッと心を奪われたんだ。
ああ、いいなぁ。
「紗南だって、勉強したらできるよ!紗南、要領いいんだから」
「できたら苦労してないわよ」
「苦労?苦労なんてしてる?」
きょとん顔でさらっとひどいことを言う美由紀に、じとっとした視線を送る。
頑張るって言葉が嫌いな私は、苦労なんて言葉はきっと縁がなくて。
いつかどうにかなるだろう、なんてご都合主義。
「紗南は、どうして剣道やめちゃったの?」
「・・・なに、急に」
「かっこよかったのに。剣道やってる紗南は、いつもキラキラしてて、楽しそうだった」
美由紀の言葉に、私は黙り込んだ。