プリンセス☆ロード
「レンは、不器用で、口も悪いですけど、人一倍騎士の仕事に誇りを持っているし、この国を思ってるんです。そして、きっとあなたの事もどうにかしたいと思っているはずですよ」
「私の事…?」
「レンは、どちらかというと体力バカな面があるんで、あまり調べ物は得意じゃないんです」
「へぇ」
確かに、静かに本を読んでるようなタイプじゃないような気がする。
「でも、ここ最近よく城内の図書室で真剣に調べ物をしているんです」
「調べもの?」
「ええ。それも、王族と我々一番隊という決まった人しか閲覧できない秘密図書ばかり」
「秘密図書?」
「それには、何が書いてあると思います?紗南さんが住んでいた地球という世界の事が書かれている文献です」
それを聞き、ハッとした。
それって、まさか私が帰る方法を探してくれているってこと?
そんなまさか…。
「紗南さんがここに来たことによって、地球の事は我々一番隊には伝えられました。我々も信じがたいことです。でも、レンは誰よりも早く行動に移し、何か手はないか、ヒントはないかと寝る間も惜しんで図書館に籠ってるんです」
「ウソ…」
「ほんと、そういう面を表に表わさないから、誤解されるのに、本当に生き方が下手なんですよね」
「まぁ、それがあいつらしいっちゃそうなんだけどな」
誤解してた。
口が悪くて、感じが悪いレンばかりを見て嫌な奴だって決めつけてた。
そうだ。
最初、ここが地球じゃないって知って気が動転して気を失った時も、次の日に目が覚める時まで側にいてくれた。
今回だって、助けに来てくれたのはレンだし、私が目を覚ますまでみんなと一緒に側にいてくれた。
それを、忘れてほんとバカだ。
お礼だってちゃんと言えてない。