プリンセス☆ロード
「姫、就任式!?」
それから数日後、ソウシの口から聞かされたのはそんな話。
なんでも、姫として迎えるにあたって国民にもそれを知らせる義務があるとか何とか。
ちょっと待って!
ネックレスを持っているから“姫”だって言われて、戻るまでの期間限定ならって許可はしたけれど…。
国民にそれを知らせるって、まるでずっと姫でいるみたいじゃない。
「それ、私が元の世界に戻るから、はい、姫はおります。で納得してもらえるわけ?」
「そうだ!そんなもの、国民が納得するわけがなかろう!」
珍しく、私と同じく反論を述べているのがレン。
まぁ、レンは最初から私が姫に任命されたことを快く思ってはなかったもんね。
「ですが、王様の決定ですし。国民も、そろそろ…と騒ぎだしている様なので」
「わかってるのか?姫として公にするということは、こいつを姫だと認め、正式に受けるということだぞ!」
「わかってますよ。紗南さんが、それに相応しいと王様は考えておられるようですよ」
ふさわしいなんて、私の気持ちはどうなるの?
そんなこと、聞いてない。
「それに!姫って、この国の王子様と結婚するってことなんでしょう!?」
前、レンがそんなことを言っていた。
「まぁ、それが一番いい形ではありますけど。いずれの話ですよ?」
「いずれでも、いつでも、嫌よ!私まだ17歳だし、それに王子って言うけど、会ったことないし!」
そうよ、そもそも、その王子って本当にいるわけ?