プリンセス☆ロード



「王子って、俺も会ったことないんだよなー」

「え?ミナトも?だって、ミナトだってこの国の騎士なのに?」

「なんか、今は王子として立派になるために修行しているんだって聞いたけど」






修行っていったい何をしているの?






「でも、確かに王子は存在するぞ。幼いころの王子を俺は見ているからな」

「そっか、リュウは15歳のころから騎士としてこの城に仕えてたんだよね!その時王子は9歳くらいなはずだから、まだこの城で生活してたんだ」






リュウの発言に、納得したようにミナトが話す。
リュウって確か、25歳なはず。
リュウが15歳の時にその王子は9歳ってことは、今王子は19歳くらいってこと?
確か、レンも19歳。
ソウシが20歳で、ミナトは15歳って言ってたっけ。







「とにかく、そうなるにせよ、紗南さんが国に帰るにせよ、これは決定事項のようです」

「ウソ……」







そんな…。
姫だなんて、実感もないし、そんな大それた人間じゃないし。
そもそも、私はただの普通の女子高生なのに。





ネックレスを持っているってだけで、決めちゃっていいわけ?








「紗南さんのためのドレスを作るそうなので、採寸などいろいろと忙しくなります。紗南さん、大変ですがお願いしますね」

「もう、逃げられない感じ?」

「覚悟を決めろってことだな。紗南のドレス姿、楽しみだなぁ」







リュウは能天気にそんなことを言うし、ようよう逃げ出せない感じらしい。
困るよ…。
隣でレンも黙りこくりながら難しい顔をしている。






なんか、それはそれで悲しいものがあるけど。








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