プリンセス☆ロード
「…恩を、返したいんだ」
「恩…?」
「うん…。あ、俺もう行かなきゃ!訓練の時間だ!じゃあね、紗南ちゃん」
ミナトは返答も早々にそう言って行ってしまった。
なんだか、あまり話したくなさそうな雰囲気。
いったい、どうしたんだろう。
準備は着々と進んでいた。
国民の前でのスピーチの練習までさせられ、しかもそれがレンとで、スパルタすぎてうんざり。
それでも、文句言わずに練習に付き合ってくれているレンには感謝しなくちゃいけないのかもしれない。
「は―!疲れた!」
「…5分休憩したらすぐ始めるからな」
「ええ!鬼!」
「なんとでも言え。ただ覚えればいいものではない。スラスラと自分の言葉にして話せなければ意味がないんだ」
「…わかってるわよ」
憧れていた姫の業務は、なかなか厳しい。