プリンセス☆ロード
小学生のころずっと近くの道場で習っていた剣道。
筋がいいと褒められ、大会ではよく賞を取るほどの腕前だった。
ずっと続けていれば、きっと上の方まで行けていただろう。
でも、私はやめたんだ。
小学校卒業と同時に。
それから中学では何の部活にも入らず、ただ毎日をこなしていく日々。
そして今の私が出来上がった。
「ねぇ、どうして?」
「別に、いいでしょ」
話をそらすように立ち上がると、鞄に教科書を詰め込み帰り支度を始めた。
「いいじゃん、教えてくれたって」
「大した理由じゃないって」
「じゃあ、教えてもいいでしょ?」
一向に引き下がらない美由紀に少し苛立ちを覚えながら鞄を肩にかける。
私は、きゅっと唇をかむと、美由紀に向き合った。
「友達に嫌なことを言われたから」