プリンセス☆ロード
story2 旅立ち
第6話 『姫としては、失格だが、この国を守る者としては合格、よ』
「どうぞ」
目の前に置かれたコップの中には暖かいココア。
ドタバタの中、就任式は終わり私の部屋に戻ってきた一行は、私を落ち着かせるために暖かいココアを用意してくれた。
「…ありがとう」
私は小さくお礼を言うとココアを口に運ぶ。
その時、先ほどの出来事の調査に出ていたレンが戻ってきた。
「レン!どうだった?」
「いや、辺りを捜索した部隊が戻ってきたが、それらしき姿はやはりなかったらしい」
「そう…」
ミナトががっかりしたように肩を落とす。
姫の就任式を襲うのは、それほどの理由があったに違いない。
国民のほとんどがあの広場に集まってきていた。
それは、この国への宣戦布告とも取れる。
「シャドーか?」
「そう考えるのが、いいでしょうね」
リュウが呟くのに、ソウシが同意する。
あの高台を狙うには、人間には不可能に近い。
シャドーには、王族を狙う理由もある。
しかし、シャドーが狙っていたのは…。
「あれ、私を狙っていたのよね?」
私は恐る恐る、思っていたことを口にした。