プリンセス☆ロード
「ふっざけるな!足手まといになるだけだ!」
「自分の身は自分で守るから!守ってくれなくていいし、足手まといにならないようにするわ!」
レンがいくら怒鳴りつけ拒もうと、私は譲る気はない。
話は平行線でどちらも譲らない。
仮にも姫である私が旅に同行するなんて許しがたいんだろうことは理解できる。
それでも、はいそうですかっておとなしく引き下がるわけにはいかないんだ。
「紗南さんの気持ちはよくわかりました」
「ソウシ…、だったら!」
「ですが、ならどうぞ、というわけにはいかないのですよ」
「どうして!」
「あなたに、死んでほしくないからです!」
いつになく強い口調のソウシ。
私は、それに圧倒される。
「あなたに出会って数日ですが、我々だってあなたに情はうつっています。大切な存在になっているんです。そんなあなたを、易々死んでしまうかもしれない任務に連れていけるはずがないでしょう?」
「……でも」
「わかってください。我々だって、紗南さんと離れがたいんです。せっかく出会えた姫なのですから。ですが、今生の別れではないんです。必ず、戻ってくると誓いますから」
生きて帰ってくると。
簡単にそんな約束をするべきではないのかもしれない。
それほどまでに、危険な旅になることは確かだ。
それでも、安心させる言葉を与えたかった。
「そして、紗南さんが元の世界に戻る方法も、必ず見つけてきます。約束です。ですから…」
「………わかった」
私は一言そう言ってふてくされたようにベッドにもぐりこんだ。
それを見て一行は、肩を落とし顔を見合わせる。