プリンセス☆ロード
一行は着実に歩みを進めていっていた。
特に交わす会話もなく、歩いていく。
しかし、その沈黙を破ったのは、ミナトだった。
「ねぇ、そろそろ休憩して自己紹介しようよ!彼の事、なんて呼べばいいのかもわからないし、旅を共にする仲間なんだから仲良くなりたいし!」
「…そうですね。もうしばらくしたら休めるところがあるはずですから、そこで休憩を取りましょうか」
ミナトの一声で次の休憩場所が決まり少し穏やかな雰囲気が流れる。
言葉には出さないが、置いてきた紗南の事が気になっている様子だ。
そして、当本人である、同行の騎士は、ただ無言で皆について歩いていた。
「あ―疲れた!」
「まだ半日歩いただけだろうが」
「男だらけのむさくるしい旅なんて、覇気が出ねぇじゃんよー」
「まったく、リュウは」
華がない、と嘆くリュウに呆れ顔の一行。
道沿いにある一軒の茶店。
その店先にあるベンチ椅子に座りくつろぐ。
それぞれにお茶屋団子を注文し、すっかり和やかな雰囲気。