プリンセス☆ロード
「なんで、紗南が!」
「そうだよ!なんで!?」
口々に問いただす一行。
私はしてやったりと、どやり顔。
それもそうだ、あれほど危険だからと言っていて、私も渋々ながら納得したふりをしたのだから。
「ついて行くって、決めたから。みんなが何と言ったって、私が行くって決めたんだから行くの」
「そんな、わがままが通ると!」
「一人で城に閉じ籠ってるなんて嫌!私だって、何か役に立ちたいし、自分が帰る方法だって自分で探したい!」
「紗南さん…」
誰になんて言われても、譲れない。
あの城にいれば安全で、なに不自由もない。
姫としては、この旅についてくるべきではないことだって私にだってわかってる。
それでも、自分には城でおとなしく待っていることなんてできなかった。
「いい加減にしろ。城に戻る」
「え、結構進んだのに戻るのか?」
「こいつを連れたままいけないだろう」
「それはそうだけどよー」
レンは頑なに城に戻って紗南を連れて行かないつもりだ。
それは、紗南の事を思ってのことだったが、優しく諭す言葉などレンは持ち合わせてはいなかった。