プリンセス☆ロード
「レン、お願い!私も連れて行って!」
「ダメだ」
「お願い!」
「しつこいぞ」
いくら懇願しても聞き入れてはもらえなかった。
その時、一行が通ってきた道の方から一頭の鳩が飛んできたのだ。
「伝書鳩?」
「これは、ルネス王国の伝書鳩ですね」
飛んできた鳩はゆっくりとソウシの肩にとまる。
その足には何やら手紙が巻きつけてあった。
「伝書鳩って、私の世界でも聞いたことある。使っている人を見たことはないけど」
「これは、ソウシ付きの伝書鳩でソウシがどこにいても見つけて届けてくれるんだ。一番隊のトップ二人にそれぞれ与えられてるんだ。この鳩はソウシと王国をインプットして飛んでいくんだよ」
「へぇ!」
ミナトの話に紗南が感心している間にソウシがその手紙を広げていく。
王様からの、伝え忘れだろうか。
「…えと、旅は順調に進んでいるだろうか。先ほど地下で同行するはずだった騎士が監禁されており、その代わりに紗南の姿が見当たらない。おそらくそのたびについて行っているのは紗南であろう」
「あ…、よかった。見つけてもらえたんだ」
地下室に縛ってきていた騎士の身を案じていた私はその報告にほっと肩をなでおろした。
自分がこの旅に同行するためとはいえ見ず知らずの人を殴りつけたこと罪悪感を感じていた。
「まだ一番隊に届かんほどの騎士ではあるが、訓練をうけた男一人を闇討ちではあるが身動き取れない状態にした紗南だ、一番隊の役に立つかはおいておいて、それ程足手まといにもならないであろう。その旅に紗南の同行を許可する。これは、王の命令である。であるからして、あえてソウシに伝書鳩を放つ。しっかり、姫の護衛を頼んだぞ。 ウイリアム王」
「…ふっざけるな!」
「やられたな。レンに飛ばせば紗南に伝わる前に破り捨てられるって、さすが王様、わかってんだな」
意外な王からの手紙に、レンは苛立ち、一枚上手の王様にリュウは感心していた。