プリンセス☆ロード
「それにしても、静かな町ね」
「ん?ああ、そうだな」
「まだ夕方なのに外に全然人がいない」
「ここは、もう隣の国のエリシア国だから、詳しい街の様子はわからないんだ」
「そうなの?」
私は辺りを見渡す。
何人かはどこかに向かうため歩いている人はいる。
それでも、町の規模から考えてもとても少なく感じる。
「あ、レンたち」
「あ!ほんとだ!みんな―!」
そんな疑問も、みんなの姿を見かけ消え去った。
手を振るとミナトが元気よく大手を振って応えてくれ、ソウシも笑顔で返してくれる。
レンは一人表情も変えず視線だけをよこす。
「紗南ちゃん!めっちゃかわいい!似合ってるよ!」
「ええ。とてもお似合いですよ」
「へへっ、ありがとう!」
口々に褒められ照れ笑いをする。
褒められると嬉しいところはやはり女の子だ。
「…馬子にも衣装だな」
「な!レン!」
ボソッと聞こえた憎まれ口にキッと睨みつける。
しかしその時にはもうレンは方向を変え向かう先を見ていた。
せわしない人だ。
「素直じゃないんだから」
私は頬を膨らませる。
お世辞でもかわいいとか言えないわけ?