プリンセス☆ロード
「今日泊まれる宿を見つけたんだ。それから、その宿の近くにご飯が食べられるところがあったんだ」
「じゃあ、そこに直行だな。あー腹減った!」
「うん。お腹すいたねぇ」
レンたちの案内の元まずは食事場所へ向かう。
そしてたどり着いた店内はまだ夕方で早いとはいえガラガラだった。
そこまでにぎわっていない店なのか、ただ時間が早いだけなのか。
そんな疑念もよそに一行は席について次々に注文をしていく。
「これと、これと、これ!」
「あとビール」
「あ、ご飯は大盛りね!」
めまぐるしく次々と注文していく彼らに私は口をはさむ余裕もなくただ呆気にとられていた。
確かに、まだ育ちざかりのミナトに、身体が資本の騎士という仕事をしている彼ら。
それにしても、多すぎるであろう量に口をあんぐりとあける。
「そ、そんなに食べるの?」
「当たり前だろ!食わなきゃ、元気でねぇじゃん!」
「紗南さんも、しっかり食べてくださいね」
「う、うん…」
「紗南ちゃんはなんか食いたいのないの?」
「え、と…。来たのをちょこちょこもらおうかな」
そして、次々と運ばれてくる料理は魔法のようにきれいに消えていくのだった。
(す、すごい…)
私は、この人たちの元気の理由を知った気がした。