プリンセス☆ロード
「…ちょっと待って!?レンと同じ部屋なの!?」
宿につき、部屋割りを聞いて驚きを隠せない。
それは、相部屋はともかくその相手がレンなのだ。
なんでよりによってレンなわけ?
レンは私の事きっと嫌ってるし、いつも憎まれ口ばっかで俺様だし。
そんな連と二人なんて、耐えられない!
「レンは一番隊のリーダーですし、それだけあって、とっさの事にも対応できますし。一番安全だと思ったのでそうさせていただきました」
「そ、そりゃあさぁ…」
守ってもらう立場で文句は言えないし、それが一番最善だとみんなが決めたのなら…。
しかし、レン自身はいいのだろうか。
あまり自分の事をよくは思っていないようなのに、と私は思いを巡らせる。
自分を守ってくれようとしているのだって、私が姫だからなんじゃないのか。
そんな思いがいつも拭えない。
「そりゃあ、俺が紗南と相部屋の方が俺だって嬉しいけどさぁ。紗南とあんなことやこんなこと…」
「い、いいです!文句ないです!」
リュウが名残惜しそうに言った言葉があまりにもリアリティがありすぎて、私は首を横に振る。
それを見たソウシとミナトは笑い声をあげた。
「決まったのか」
「あ、はい。じゃあ、レンは紗南さんの事頼みましたよ」
「…ふん」
一人無関心なレンが不愛想に受け答えをし、部屋に入っていく。
先が思いやられる、と重い足を動かしてそのあとに続いていく。
「大丈夫でしょうかね」
「さぁ」
「心配だなー」
そんなことを呟きながら、あとの三人は隣の部屋に入っていった。