プリンセス☆ロード



静まり返った部屋。
会話のない部屋で、そわそわ落ち着かない。


レンはというともくもくと荷物の整理をしている。
もともと会話なんてない二人。
なにを話せばいいのかわからなかった。




レンは会話なんでなくても平気そうだが、私自身が落ち着かなかった。





「先に風呂に入ってきたらどうだ」

「えっ、ふ、風呂⁉︎」




“風呂”という単語に必要以上に反応する。
しかしすぐに、レンには深い意味などないことに気付く。
きっと、同じ部屋なのも騎士として仕方ないと思っているし、仕事として割り切ってる。
レンはそういう人なのかもしれない。



私が1人そわそわしているだけなんだ。
そう思うとすこし寂しくも思えた。


少しでも近づきたいと思う。
それでも、レンとの距離は近づかない。
もどかしい。






「…じゃあ、先に入ってくる!」

「ああ。結構歩いたからしっかり疲れをとってこい」

「うん…」




ふとした一言が優しく感じる。
なんだか、レンという人がよくわからない。





< 92 / 469 >

この作品をシェア

pagetop