プリンセス☆ロード
静まり返った部屋。
会話のない部屋で、そわそわ落ち着かない。
レンはというともくもくと荷物の整理をしている。
もともと会話なんてない二人。
なにを話せばいいのかわからなかった。
レンは会話なんでなくても平気そうだが、私自身が落ち着かなかった。
「先に風呂に入ってきたらどうだ」
「えっ、ふ、風呂⁉︎」
“風呂”という単語に必要以上に反応する。
しかしすぐに、レンには深い意味などないことに気付く。
きっと、同じ部屋なのも騎士として仕方ないと思っているし、仕事として割り切ってる。
レンはそういう人なのかもしれない。
私が1人そわそわしているだけなんだ。
そう思うとすこし寂しくも思えた。
少しでも近づきたいと思う。
それでも、レンとの距離は近づかない。
もどかしい。
「…じゃあ、先に入ってくる!」
「ああ。結構歩いたからしっかり疲れをとってこい」
「うん…」
ふとした一言が優しく感じる。
なんだか、レンという人がよくわからない。